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by よしだ よしだ

【連載】九州古今菓子探訪 -参- 西鉄天神大牟田線沿線のお菓子

【連載】九州古今菓子探訪 -参- 西鉄天神大牟田線沿線のお菓子

ごきげんよう よしだです。

毎回お菓子のある場所を実際に訪ねて、お菓子を味わいつつその土地でお菓子が生まれた背景や風土・歴史を考察するこの連載。

まだ遠出はできない状況のため、今回は西鉄天神大牟田線沿線の知られざる(?)銘菓などをご紹介したいと思います。

わたくしごとですが、今年1月の本社移転に合わせて、これまで長らく住んでいたJR鹿児島本線沿線を離れて西鉄沿線へと引っ越しをしました。

それまでは年に1度乗るか乗らないか程度だった天神大牟田線でしたが、現在は毎日の通勤でとてもお世話になっている路線でもあります。

今回はこの天神大牟田線に乗って久留米まで行きます。特急に乗れば福岡から約30分で到着です。

(余談ですが、西鉄は特急に乗る際も特別料金がかからず、普通電車と同じ料金で乗ることができるのです。普段乗っていると気にも留めないことかもしれませんが、これって結構すごいことだと思います。)

これは駅のホームから見える丸永製菓の広告看板。
丸永製菓の本社も久留米にあるのですね。

タイヤ最中(久留米市 吉金菓子舗)

今回久留米に来たのは、「久留米にはタイヤ型の最中がある」という話を聞いたため。

造型の自由度が高く日本各地にさまざまな商品が存在する最中ですが、福岡県内にもこんな変わり種の最中があるとは知りませんでした。

これは是非実物を見てみたい!ということで、製造・販売元の吉金菓子舗さんへ行って入手してきました。

(お店近くの電柱にも「タイヤ最中」の文字が。写真右手の黄色い看板がついた建物が店舗です。)


ところで何故タイヤ最中が生まれたのか?

久留米は純国産タイヤ第一号を生み出しその後世界規模のタイヤメーカーとなったブリヂストンの創業の地。
古くは明治時代から、ゴム産業やタイヤの製造はこのまちの中心産業でした。

(タイヤの街を象徴するように、JR久留米駅前には世界最大級のタイヤが鎮座しています。)

この最中が発売されたのは戦後間もない昭和23年。
吉金菓子舗さんは「久留米らしさが感じられる菓子、久留米を代表する菓子がつくりたい」との思いから、地場の主要産業品であるタイヤを模した最中を作ったのだそうです。
当時久留米のゴム工場には全国から女工さんが働きに来ていて、彼女たちが郷里へ帰省する際のお土産としても大変人気がありました。

(ブリヂストンの社内行事で配られたこともあったそうで、ほぼ企業公認のお菓子でもあったみたい。)


というわけで、こちらが買ってきたタイヤ最中です。

見た目がもうそのままタイヤ。ビジュアルがつよい。(名!産!登!録!)
直径約7cm、厚さ約2cmとかなり大ぶりなサイズです。

実はこのデザイン、久留米市の市章も模しているんだそうです。


久留米の市章は、九つのルで米の字を囲んで、同じくタイヤを模しています。明治44制定。(画像はWikipediaより)

和菓子屋さんの最中は、皮の部分は専門業者さんに作ってもらうのが一般的なのですが、この最中は凹凸のある大きな形状にしっかり餡を入れられるように、堅めの皮を自家製で作っているそうです。

皮が堅いから自立するのだ!
側面にもタイヤの溝を模した模様があるのがお分かりいただけるでしょうか。

まさに地元愛とこだわりがつまったお菓子です。

草木饅頭(大牟田市)

次は大牟田の草木饅頭。

大牟田まで行かないと入手できないと思っていましたが、JR久留米駅の売店で売られていたのを偶然見つけたので購入しました。

草木饅頭が生まれた経緯は、総本家の黒田家さんのHPに詳しい記載がありますので、そこからの引用で紹介します。

明治の中頃、鉄道員であった初代 黒田辰治は、あちこちの名物饅頭を食べるにつれ、「自分の手でうまい饅頭を作りたい」と思いを募らせ、創作に打ち込むようになりました。
1年の歳月を費やして、ついに独創的な饅頭を完成。はじめは家族や親類を喜ばせるために作っていたのですが、やがて町の人にその評判が広がったのです。

また、引用元ページにもあるように、草木饅頭誕生の背景には官営の炭鉱として明治から本格的な採炭が行われた三池炭鉱の存在も大きく関係していたそうです。

炭鉱で過酷な労働をする人たちが最も欲したものが甘い菓子。
草木饅頭は直径が約3cmくらいの小ぶりなサイズなのですが、これも仕事の合間に手早く好きな数だけ食べられるようにとの配慮もあっての大きさなのかもしれません。


このお饅頭は蒸して作られるとのことで、皮はつやつやでむっちり、中にはあっさりした白餡が入っています。


現在草木饅頭を作っているお店は、前述の総本家黒田家江口栄商店の二店があるようです。

大牟田が地元のスタッフKさんにも 草木饅頭について聞いてみました。

・草木饅頭は大牟田の人はみんな知っています!
・黒田と江口の派閥があります 笑笑
・皮の硬さとあんこの甘みが結構ちがって、黒田のほうが甘さ控えめで江口の方が和菓子の甘さが強い感じがします!

と、地元の人だけが知る詳しい情報を教えてもらいました。

なおKさんは「黒田の方が好きです!」とのこと。
今回購入したのは江口さんの商品だったので、黒田家の草木饅頭も今度食べてみたいです。

カバ印アイスキャンデー(柳川市 椛島氷菓)

夏なのでアイス!

こちらも今回は実店舗を訪れていないのですが、柳川市にある椛島氷菓さんの商品、昔ながらのアイスキャンデーです。
福岡市内でも取り扱っているお店が多いので、うちの近所で買いました。

旬の果物を使用するのでフレーバーも季節ごとに変化します。これはあまおうとマンゴー。
椛島氷菓さんは、小城羊羹の老舗 村岡総本舗さんとのコラボでようかんアイスも作っているのですね。これも食べてみたい…。

椛島氷菓

おまけ:ミスタードーナツ西鉄久留米ショップ

久留米の甘い物の話のついででもう一つ。

知り合いに聞いて知った話ですが、西鉄久留米駅に入っているミスタードーナツは昭和48年の開店、以来40年以上ずっと同じ場所で営業を続けていて1980年代には売上日本一にもなったことのある店舗だそうです。

その人の話では、(時間帯やタイミングにもよるみたいですが)店員さんに揚げたての商品があるか尋ねると教えてくれるそうで、出来たてのドーナツは一味も二味も違うらしい…。

ということで、帰りの電車まちの間にお店に立ち寄ってみました。
この時は出来たての商品はなかったのですが、ショーケースにシナモンのオールドファッションが並んでいたのでそれを注文しました。

(シナモンのオールドファッションは他のミスド店舗では見かけたことがないのですが、限られた店舗で売られている商品なのでしょうか…。ミスド商品にお詳しい方がいらっしゃいましたら教えていただけるとさいわいです。)

店舗は1階ですが、電車ホームと接続している2階にも売店があり、利用者が多いことがうかがえます。

ミスタードーナツ 西鉄久留米ショップ

まとめ

タイヤ最中は最初珍品枠だと思っていたのですが(ごめんなさい)、誕生の経緯を辿ると、地元の人たちの真摯な思いが込められたお菓子であることを知ることが出来ました。

ストレートすぎるあのビジュアルにも、そういった地元愛の強さが表れているのだと思います。

天神大牟田線沿線の土地やお菓子については今回はじめて詳しく知る機会を得た感じでしたが、こういった土地々々で古くから親しまれてきたお菓子は他にもあると思うので、今後も折に触れて調べてみたいと思います。

それではまた。

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